目カメラで撮ったから

自制できるもんならとっくにしている

2018年宝塚覚書

昨日のタカスペライビュで2018年の宝塚行事を納めてきたので早速振り返り日記を書く!
観劇した公演すべてに範囲を広げると書いている間にあけおめしてしまうので、特に印象に残っているところ中心とします。そしてほとんど花組です。時系列順!

 

 

花組 ポーの一族 第19場 フィナーレF(デュエットダンス)


花組公演『ポーの一族』初日舞台映像(ロング)

(4:40~から短いですが該当場面が映っています)
まずこの公演を生で観られたこと自体が私にとっては大事件だったのだけれど、中でもトップコンビのデュエットダンスがあまりにも素晴らしくて、久しぶりに滝のような涙を流したことはいまでもはっきり覚えています。明日海さんの噛み付くような視線とそれに負けない強さで明日海さんを見つめ返す仙名さん、という踊っている時の二人の表情がとにかくよかった。後日発行された宝塚GRAPH*1にて「もしエドガーが成長していたら、こんな風にシーラに再び挑んだのではないか」という記述を読んでからは、ブルーレイでこの場面を再生する度にたまらない気持ちになります。エドガー、いまはどこにいるのかな…
この公演中、エドガー役の明日海りおさんはブルー*2、シーラ役の仙名彩世さんはピンクグレーのカラコンを付けていたのでより幻想的に見えたのかな~という気もする。このダークブルーの衣装も本当に大好き!歌劇の殿堂で人目も憚らずばしばし写真を撮りまくっていたのはこの私です…長居してすみませんでした;▽;
ポーの一族は全体的に見てもとても満足度の高い公演だった。小池作品の一幕終了間際の登場人物全員集合の図、噂には聞いていたけれど本当に壮観!!!全編カロリー高めな楽曲もミュージカルならではという感じで好きでした。一曲は今年よく聴いた10曲にも入れるつもりです。一生の思い出

 

 

雪組 凱旋門 全編


雪組公演『凱旋門』『Gato Bonito!!』初日舞台映像(ロング)

凱旋門は今年観た演目の中で一番好きです。詳しい感想は単独記事に書いているので略しますが、芸名のジェンヌさんというより役名の人物に興味を持ち、物語に引き込まれた感覚がとても強かったように思う。
その単独記事ではボリス大好き芸人であることを告白していますが、実はジョアンもかなり好き。欲望に真っ直ぐでわがままにも見えるかもしれないけど、セクシーで自由奔放で、放っておくとぽきんと折れちゃいそうな、そういうジョアンが私はなんともいえず好きだった。あの煙草を傾けるスチール最高だよね!
ちなみにショーはアルゼンチンタンゴと黒猫のタンゴがお気に入りでした。トップスターに「ニャー!」と言わせるショーを作ってくださったダイスケ先生には足を向けられない…それどころか観劇後、劇場の外でお見かけしました。やっぱりアロハシャツだった

 

花組 BEAUTIFUL GARDEN 第4章 SPANISH GARDEN(マノレテ)


花組公演『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』初日舞台映像(ロング)

(3:51~からSPANISH GARDEN)
この場面が私の中のBG総合得点を爆上げしていた。いやもうはっきり書いちゃうけどエロス!!!そこがすごくよかった!!!特に明日海さん扮する孤高の闘牛士マノレテとその恋の相手ルペ・シノ(仙名さん)がお互い上着を脱ぎながら向き合い、覆い被さったマノレテがルペ・シノの首筋にキスする………という一連の流れの“上着を脱ぎながら向き合い”の数秒が大好き!!!あの熱の篭った視線を毎日浴びていたゆきちゃんの心の鍛錬恐れ入ります…どれだけ腕が痛くなろうがここだけは双眼鏡降ろしたくなかった。
大劇場公演はちょうど夏休み真っ只中で私が観に行った回は結構キッズがたくさん来ていたんだけど、幼少期にこの超オトナな場面を見ることが出来た子どもたちが羨ましくて仕方ない。見てはいけない気がする…でも気になる…!というモヤモヤは絶対あった方がいいと思う
BGは振付にs**t kingzのoguriさんが入るという個人的に超うれしいコラボレーションもありました。特に野口先生お得意のアイドルコーナーの柚香さんはもうメンズにしか見えなかった。花組最強同期シンメがセンター+振付がシッキンのoguriさん=最高!!!ありがとうございました
あとこの件についてはまだ成仏できていないんですけど、一部の貸切公演にのみ降臨した黒髪短髪のグラディエイターS、本当に見たかった…地毛ver.もあったらしいじゃん…静止画でもいいから見たい黒髪短髪明日海りお…

 

 

花組 メランコリック・ジゴロ 全編

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まず、全国ツアーの演目がメランコリック・ジゴロに決まった時の興奮といったらなかった。BGの項にも書きましたが花組には柚香光と水美舞斗という最強の同期シンメがおりまして、その二人がこのバディ物をやるなんて妄想が現実になりすぎて一周回って嘘なんじゃないかな…?と疑ってしまうほどびっくりした。嘘じゃなかった!!!
しかし今回は予定していた会場のチケットが全然取れなかった。ただ観に行かないという選択肢はなかったんで、まさかあそこまで行くとは…という距離を飛行機でビュンしましたが本当に行ってよかったです。逆に日本国内は全部近場という気づきを得てしまった。こわい
あまりの興奮に記憶をほぼ失ってしまい言語化できるところがほとんど残っていないのだけれど、私は“男役”として舞台に存在している柚香さんのことが本当に好きなんだな、と改めて感じた公演でした。あぁ~大劇場でも花組のスーツ物みたいよ~~!!

 

 

花組 Delight Holiday S3B Delight Paradise B(楽園) 

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いや~~~稽古場映像見たときひっくり返ったよね。そんなことある?って私も天海さんに聞くところだった。私の世界で一番好きなバンド、THE YELLOW MONKEYなんですよ!!!
宝塚ではイエローモンキーの楽曲が私の知る限り二回*3使われていたので初めてというわけではないのですが、まさか自分の好きな組でリアルタイムで聴けるなんて思ってもみなかったのでほんとに腰抜けた。しかも楽園かよ!大好きだよ!速攻「猫も連れて行こう~」の歌詞が思い浮かんだよ!*4
観る前までは一番のサビまで歌って終わりかな、くらいに思っていたのにタカラヅカアレンジに変化した楽園がサビ後もずっと場面で使われていて、私は夢でも見ているのかな…?と本気で幽体離脱しかけた。明日海さんがネクタイを外した瞬間に色気大放出されて死にかけもした。なんてことをしてくれたんだ稲葉先生!愛してる!!!
この公演は楽しすぎて書こうと思えばいくらでも感想書けるんですけど、絞って書くとするなら平成30曲メドレー最後のU.S.A.が最最最最最高すぎて、DA PUMPのU.S.A.を見聞きする度に舞浜ver.がチラついてしまうという後遺症が残りました。どうしてくれるんだ花組生!超愛してる!!!
あの、これ、本当に一部抜粋です。明日海さんの春の雪やみりゆきのデュエダン、MC等々を書くとなると2019年に片足突っ込んでしまうので略しているだけです。いや~楽しかったな舞浜…まさに夢の世界だった

 

 

タカラヅカスペシャル2018 第3場 「ONE HEART」(明日海りお・望海風斗)

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私にとって隣同士で並んでいるだけで幸せになってしまうペアNo.1がこれまた同期同士(しかも予科生時代は同室!)の明日海さん&望海さんなのですが、その二人がお互いトップとしてタカスペの舞台に立ち、一緒に歌う瞬間を目撃することができて本当に胸がいっぱい、感無量、どこから湧き上がってくるのだろうこの気持ちは…というくらいとにかく感動してしまった;;;;今年のタカスペはなんといってもここがベスト
望海さんから明日海さんへの「愛してるよ!」も聞けたし2018年もいい年でした。89期の真顔ショット、どこかではみ出さないかいまから楽しみだな~

 

 

 

ひかりふる路の葛藤と焦燥、BADDYのヤッティ、博多座Sante!!のエイトシャルマン…などなどもう全然書き切れていないけど、そのくらい2018年は存分に宝塚充出来た一年だったのだな~と改めて思いました。どうやら14回観に行っていたらしい。ライビュも入れたらもう少し増える。借金しない限りはセーフだょ…
最後に、私は毎年このブログで“今年よく聴いた曲”を振り返る活動をしているのですが、そこには入らなかったけどたくさん聴いた宝塚楽曲をペタリしてこの日記を締めたいと思います。来年も楽しい観劇ライフを送るぞ~~~

 

 

 

「オレとオマエの秘密航海」(雪組・SUPER VOYAGER!!)

オレとオマエの秘密航海

オレとオマエの秘密航海

  • provided courtesy of iTunes

ラッキーなことに私が一番好きな箇所が視聴部分に含まれています。望海船長がギュッと温めてくれてイヤなことを忘れさせてくれるところです。ご本人も観客もエッ…となったことで有名な名(迷?)歌詞ですが、本当に仕事に行くのがイヤだった時期毎朝この場面を見てから出勤していました、船長ありがとう…
ちなみにこの後に続くメインテーマの歌詞はもっとすごい。壁ドンとか腰グイとか言ってる。しかしお笑いにならないのが雪組子たちのすごいところ!!!

 

「いのち」(雪組凱旋門

いのち(Ending)

いのち(Ending)

  • provided courtesy of iTunes

生で聴くことが出来て本当によかったと思えた曲。視聴部分は望海さんのソロですが、雪組全体の合唱で轟さん演じるラヴィックを見送る場面は涙なしには見られなかった。 

 

「Killer Rouge」(星組・Killer Rouge)

Killer Rouge

Killer Rouge

  • provided courtesy of iTunes

ショーのメインテーマではこの曲が一番クセになりました!キラッキララキラッキラールージュ!どう考えても戦隊モノ。サイトーショーは戦隊モノのテーマ曲生み出しがち!
星組公演はライビュで観たんだけどANOTHER WORLDはいままで観た宝塚のお芝居で一番笑った。笑いすぎてお腹痛かった。瀬央さんの赤鬼最高すぎでしょ…早く映像でおかわりしたい!

 

「The Last Rose of Summer」(花組・BEAUTIFUL GARDEN)

庭の千草 (The Last Rose of Summer)

庭の千草 (The Last Rose of Summer)

  • Sarah Moore
  • ワールド
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

(配信まだでした)原曲はアイルランド民謡だそうです。この曲はデュエダンで使われていた曲なんだけど、ゆきちゃんが退団を発表してからは少し違う意味を持って、より私の中で大切な曲になりました。曲自体もとても儚くて好きです

 

 

 

付け足しが長い!以上で2018年総まとめ宝塚編を終わりたいと思います。もうクリスマスイブになっちゃったよ。おめでとう。いい子にするのでサンタさんチケットください。ダメなら運だけでもいいです。

*1:2018年3月号のThe Costume内

*2:しかも薄い水色・濃い水色・その中間の三種類日替わりだったらしい

*3:雪組タカラヅカ・ドリーム・キングダム」で街の灯、月組龍真咲さんのコンサート「Voice」でSPARK

*4:明日海さんは今年からお猫さまと暮らし始めました。名前はおこげ。かわいい

宝塚ってミュージカルっぽい曲だけじゃないんだねメモ

アイドル好きの中にはアイドルのパフォーマンスや個々のパーソナルな部分に重きを置かない楽曲重視のファン=楽曲派がいるけれど、宝塚の音楽を好んで聴く人は宝塚のお芝居やショーが好きな人、がほとんどのような気がします。少なくともアイドル楽曲派よりは宝塚の音源のみ聴きます派の人口はグッと減ると思う
ただ、いろんな畑で泥だらけになってきたオタクにはおもしろい発見が思いのほか多かった!あと普通に曲として格好良いというか、宝塚ってTHEミュージカル楽曲だけじゃないんだ~!というのが何よりイメージを覆されたところでもあって新鮮におもしろかったんですよね~~~ということで、2018年現在の特におもしろいな~と思った楽曲を記録したいのでします

 

 

なんだかちょっぴりスティングっぽい曲

冒頭からおいおいなに言ってくれちゃってんの、と言われそうだけど話を聞いて!
この曲は05年初演の花組マラケシュ・紅の墓標」で使われている楽曲で、物語の序盤に当時のトップスター・春野寿美礼さんが歌う作品自体のテーマ曲でもあります。舞台は題名通りマラケシュ=砂漠の街ということで、なんとな~くラクダがいそうな、男性がターバン巻いてそうな、エキゾチックな雰囲気漂う曲………って書いてもわかりにくい。伝わらない。でもこの良い!と思ったポイントをなんとか説明したい!
…と思った時、私はスティング様のこの曲を思い出したのだった

Desert Rose

Desert Rose

  • スティング
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

Desert Roseに関しては母親の影響でたまたま知っていた、という状況なのですが刺激されるツボの種類が私の中では同じだった。っていうかデザートローズ=砂漠のバラ=マラケシュの内容との合致度よ!!!
曲自体の雰囲気もそうだけど、Prologue・Maghreb de Sableの何が格好良いってインスト部分なんですよ(春野さんの包容力抜群な歌声ももちろん魅力よ)4:51の半分以上は歌唱パートがない。というか舞台上は春野さん演じるリュドヴィークが袖にはけた後、砂の男と砂の女=ダンサーたちが踊る場面になるのでその伴奏に切り替わるんですね。視聴ではどうしてもそこまで辿り着けないんだけど、あの転調部分のジャズっぽさが最高に格好良いんだよな…宝塚の舞台音楽で最初に震えた思い出の一曲

作曲者は斉藤恒芳さん。この曲だけでなく「マラケシュ・紅の墓標」の使用楽曲はすべて斉藤さんによって手がけられています。作・演出の荻田浩一さんとはよくコンビを組んでいたみたい。で、調べていくとまたひとつ私の足跡と重なる点があったんですよね
で、その足跡とは………仮面ライダーキバ!!!なんと仮面ライダーキバの楽曲担当が斉藤恒芳さんその人だったんですよ!私キバ全話見てたよ!いま振り返って聴いてもほんとに格好良いよね~~!!
12年花組「Victorian Jazz」以降はしばらく宝塚に楽曲提供していなかったようなのですが、18年月組「カンパニー/BADDY」のパンフレットにてお名前をお見かけした時は本当にうれしかったです…!また是非!よろしくお願いします!
※そして下書きに寝かせている間に花組「BEAUTIFUL GARDEN」でまたもや再会できました!ワーイ!

 

 

和楽器とギターとブラスのコラボが最高にクールな曲
鷹と鷲

鷹と鷲

  • provided courtesy of iTunes

タイトル通り。またもや歌唱パートでない部分をメインで褒めることになってしまうのですが、でも舞台を作り上げているのは演者だけではないわけで…!あ、というか今更だけど宝塚が常に生オケであることを知らない方も結構いるんじゃないかな?現に私もそうだった。この事実結構衝撃的でした。以上余談
曲のベースは和だけど洋も取り入れている和洋折衷楽曲…そんな説明でいいのかわからないけれど、和楽器がどっしり土台を作っている上に乗っかる泣き気味のギターと溌剌とした金管組が合わさった時の格好良さと言ったらない。ああ~どんな楽器が使われているのかちゃんと知りたいなあ…
ちなみにこの曲が使われている16年花組の日本物ショー「雪華抄」ですが、衣装デザイン・監修がKEITA MARUYAMAでおなじみの丸山敬太氏です。そういう入り口もあるのか…興味の間口が広い!


花組公演『雪華抄(せっかしょう)』『金色(こんじき)の砂漠』初日舞台映像(ロング)

(0:56あたりから鷹と鷲)鷹=明日海りおさん、鷲=柚香光さんを始めとした男役たちの舞いが非常に勇ましく美しい。コーラスも綺麗で大好きな場面
併設作品の「金色の砂漠」については好きすぎて話が長くなるので割愛します…

 

 

アニメ好きなら即馴染むこと間違いナシ曲
大正浪漫恋歌

大正浪漫恋歌

  • 宝塚歌劇団・柚香 光、鳳月 杏、水美舞斗、ほか
  • J-Pop
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

OP映像付きだとよりそう感じるはず。だって三次元なのにみんな二次元なんだもの…!(?)鳳月杏さん=ちなつさんの青江冬星、すごいから…脚の長さ原作と同じかそれ以上に長いから…嗚呼映像を見せられないのが残念で仕方ない!いまからでも遅くないからDVD出そう??? ⇒2019年円盤化されました!
…って書くと曲関係ねーじゃん、という感じですが根拠はあります。なぜなら曲の生みの親がElements Gardenだから~~~!!!

マジLOVE1000%

マジLOVE1000%

  • provided courtesy of iTunes

貼っておいてなんですが1期の1話しか見てないから内容は存じませんすみません。でもこの曲だけは知ってるし歌える。めちゃくちゃ流行った記憶がある。そんな「マジLOVE1000%」を世に送り出した作曲家集団こそがElements Gardenなのだ!にわかなのでこれ以上は発言を慎みますが、要するにアニメ界の大物も宝塚舞台音楽に実は関わっていた、ということを言いたかった。
なんでも17年花組はいからさんが通る」の脚本・演出を担当した小柳奈穂子先生が端的に言うとオタクな方なんですね。先日スカイステージの番組でときメモGSの話をしていておもしろかったな…話が逸れました。ちなみに11年月組アリスの恋人」では楽曲担当がElements Gardenであることの他に、衣装協力・BABY,THE STARS SHINE BRIGHTにびっくりした。いやよく考えたら宝塚の世界観にロリータファッションってマッチするよね!?やっぱり興味の間口が広い!誰もが引っかかりそうな種が散りばめられている工夫に感服の一言

 

 

階段から降りてくる時にかかるあの曲

最後は意外!ではなく王道!いわゆるパレード曲です。これは楽曲そのものというよりショーの様式美に待ってました~~!!となるアツさがあるから大好き。でもその気持ちを盛り上げてくれるのもこのパレード曲なんですね。だから結局曲も大事、曲が要。
基本的にはショーで使われている楽曲を繋いで出来上がるものなのですが、毎回毎回どうしてこんなに気持ちよくひとつの楽曲になっているんだろう…と感動する。これで本当にこのショーは終わりだぞ!出し切るぜ!という最高潮の熱を受けたらもう無言で拍手するしかなくなります。たまに双眼鏡を覗きつつ
そしてパレード曲の例として貼った12年月組「Misty Station」はパレードはもちろん、全曲全場面が好きすぎて本当に困ったショーだよ!気を抜いていると魂のルフランが始まったりするので本当に気をつけてください。見終わった直後にもう一度再生するはめになります。霧矢さんの歌がうますぎるんだ…

 

 

宝塚はありとあらゆる方向から楽しめるのでまだまだ探究はやめられそうにないな~と思うし、他の好きと交わるポイントも多々あるので、本当に死ぬまでには一度というより一度も見ないで召されるのはやめて!!!という気持ちです。おしまい

宝塚の凱旋門を観てレマルクの凱旋門を読んだ

六月に宝塚大劇場にて雪組公演「凱旋門」を観劇後、演目の原作であるレマルクの「凱旋門」を読みました、というタイトル通りの日記。よって舞台・小説どちらのネタバレも大いに含みます。

さて。普段あまり本を読まない、ましてや海外文学はほぼ読んだことのなかった私ですが、雪組凱旋門を観てからど~~~しても千秋楽ライビュまでに原作が読みたくなり、図書館で探し出しなんとか最後まで読み切りました!先に舞台を観たという土台があったことは確かですが、でも本当におもしろかった。この読書体験を与えてくれたという点でも雪組凱旋門には感謝の気持ちでいっぱいです
以下、舞台小説混ぜこぜの特に覚えておきたい・抱いた感想メモ。冒頭にも日記、と書いたのでこの記事は特に舞台版と小説版の比較がメインというわけではありませんのであしからず!(8月26日再編集・改題)

 

 

ボリス・モロゾフが好きすぎた

これまで70作近くの宝塚作品を観てきたけれど、恋という意味で好きになった男性キャラクターほぼほぼ初めてでは!?というくらい望海風斗さん演ずるボリス・モロゾフが気に入ってしまった…しばらくボリスのことばかり考えていた気がする。元々雪組では望海さんが好きなのですが、この「ボリスのことばかり考えていた」は完全にボリス・モロゾフという男についてです。そこまで考えさせてくれたのは望海さんの素晴らしい演技のおかげ他ならないのですが!
よく宝塚の男役は“女性の理想の男性像”なんて言われたりするけど、正直人の話聞かないヤツは多いし自分勝手な人も多いし本当に人の話聞かずに刃物振り回したり早とちり勘違いしたり………な男に多々出くわすので(※そうじゃない人ももちろんいます)主要登場人物でスキ♡♡♡となった男性キャラクターは実はあまりいませんでした。でも凱旋門のボリスは常に冷静で考え方が大人で、相手の話に耳を傾けその上で相手の気持ちを尊重することのできる…かといって真面目一辺倒キャラというわけではなく大人の割り切った遊び方も知っている風で、もうね、とにかくセクシーで魅力的な男だったんだよ!!!
セクシーといえばボリスの「俺も女性は行きずりに限っている」という想像力が掻き立てられる色っぽい台詞も、「ラヴィック、亡命者の君は愛を与えられても、生活は与えられない」と並べると少し違う色を持つんですよね。この“生活は与えられない”という台詞は刺さった。でもボリスや他の避難民と同じく身軽でいようとしていたラヴィックがジョアンと出逢って少しずつ変わっていく姿を、心配しつつ最終的には見守ってくれるボリスもまた人間味溢れていて好きなんだなあ…
原作には“大男だったが、もう六十を越していた”という記述があるので、その老成した精神が舞台版ボリス(30~40代くらい?)に宿っている、と考えるとあの落ち着きにも納得。シュナイダーに復讐する際の細かすぎるアドバイスとか、最後の旅券のくだりとか、もう書ききれないくらい好きなところがある!望海ボリスに関しては受話器の持ち方が天下一品だった。指の長さと美しさがよくわかる所作でした…うっとり
望海さんのこれまでの役ってアクの強い役が多かったと思うしそっちも大好きなんだけど、余裕のある大人の男性もすごくすごく素敵で、私はボリスが望海さんで本当によかったと思っています。ボリス相手になら積極的に恋に落ちたい。片思いしたい。

 

ラヴィックにとってのケート

雪組凱旋門では第六場のみ登場するラヴィックの患者であり友人のケート・ヘグシュトレーム(沙月愛奈さん=あゆみさん)ですが、原作ではジョアンの次に重要な女性キャラクターだと思います。舞台上でのあゆみさんの佇まいが素敵だったことと、台詞を追うとどうもただの友達ではなさそう…?と疑っていたので(?)小説を読み終わった後読んでヨカッターーー!!!と心底そう思いました。
舞台では会話の途中でラヴィックの言葉遣いが敬語からくだけた物言いに変わったり「無事に生き延びることだけが幸せとは思えなくなったの。それはあなたが教えてくれた事よ。」「何もかもありがとうね、ラヴィック」というケートの台詞を聞いて、恋人まではいかなくとも深い仲なのでは…?と思っていたのですが、その答えは小説の中にぎっしり詰まっておりました。
というのも、ケートはラヴィックがパリに来て初めて仕事=手術した患者さんだったんですね。その手術が成功したことから、ラヴィックはケートのことを「君は僕のマスコットだ。僕に幸運を持ってきてくれたんだ。」と言い、以降一緒に食事をしたり、他愛のない話をする仲になっていったようなのです。ちなみにケートはラヴィックが避難民であることを知りません。そういった違うコミュニティの人間と他愛のない話ができる時間はラヴィックにとってとても貴重だったのではないかな~と思ったり…
あ、ちなみにボリスもケートとは顔見知りです。KATEはロシア読みだとカーチャなのかな?一回しか出てこない呼び名だったけど脳内では89期♡ってなってましたエヘ。だから観劇後の読書はいいぞ!
ラヴィックは避難民であり、明日の生活がどうなるかわからない。ケートは避難民ではないがいつまで命が保つかわからない。持っているものは違ってもどこか通ずるものがあったのかもしれません。

「そうだよ。幸福はどこにでもころがってるんだ。ただ、それをひろいあげさえすりゃいいんだ。」
彼女はラヴィックを見た。「わたしほんとにそう思うわ。ラヴィック?」
「僕もだよ、ケート。ただ単純なものだけが、けっしてわれわれを失望させないのだ。それから。幸福はどんなに低いところにでもあるんだよ。」(184頁)

他にも何箇所か好きな台詞はあるのですが二人の会話で特になるほど…と考えてしまったのがここ。凱旋門の台詞って現代に生きる私たちにもすごく沁みるものが多い…

 

ラヴィックの名前

舞台版で一切触れられていないのがこの事実だと思うのですが、実はラヴィックという名前は本名ではありません。原作では序盤で本当の名前ではないことを明かしています。ラヴィックはジョアンに出逢ってから捕まる以前にも三回フランスから追放されているので、ラヴィックという名前は三番目の名前なんだとか(ちなみに最初は本名で入国しています)ジョアンもボリスも、ラヴィック以外誰も彼の本名を知りません。
ラヴィックの本名はここに書こうかどうか迷ったけど、やめました。気になった方は小説を最後まで読んでみることをおすすめします

名前ネタで言うと舞台版のシュナイダーは小説版ではハーケ、ペペはボボ、ボリスはモロゾフではなくモロソフ(これは単なる発音の違いかな?)アンリは作中に名前はなく、ジョアンと関係のあった男たちを一人に凝縮したキャラクター、という感じでした。アンティーブで一緒だった男と最後に銃を向けた男は別の人物です

 

ラヴィックとジョアンの最期の会話

ここも原作の話。舞台と小説の会話の内容はほぼ同じなのですが、決定的に違うのが使われている言語。そもそもお芝居は役がどこの国の出身者かに関わらず全員日本語を話しています。でもよく考えると彼らの共通言語ってフランス語なんですよね。
しかし最後の、最期の場面でラヴィックとジョアンはお互い母国語で会話しているのです。つまりラヴィックはドイツ語で、ジョアンはイタリア語で愛の言葉を交わしているのです………
小説ではラヴィックの台詞は日本語で、ジョアンの台詞はイタリア語で書かれているのだけれど、翻訳機を頼りにジョアンの台詞を訳すと舞台版のジョアンの台詞とほぼ一致していてもう涙でディスプレイ見えねえ状態でした…ここの場面もそうだけど、台詞は基本的に原作の和訳からあんまりいじってないんだよね;;;;そんなところにもグッときてしまった
本題からはだいぶ逸れますが昔見たベン・ウィショー主演の「追憶と、踊りながら」という映画でもこの場面と同じようなシーンがあってぼろぼろ泣いたなあ…ってことを思い出したりしていた。言語の壁は強い気持ちで越える瞬間があるんだよ~

追憶と、踊りながら [DVD]

追憶と、踊りながら [DVD]

 

 

 

凱旋門の舞台と小説、共通しているところはすべてを語りすぎていないところだと思っています。そこがすごくいい。すごく好き。特に小説だとこの章と章の間に絶対“あった”ことが読み取れる文章の色気がたまらなくて、数秒ゆっくり息を吐き出さないと次進めない…なんてことも多々ありました。きっとラヴィックとジョアンが一番素直になれる時間が夜の時間だったんだろうなあと思う。傍らには必ずカルヴァドスがあってね…
舞台としては視覚的にも感覚的にも薄暗くて、宝塚作品にしてはかなり地味な部類なんだろうなあと思います。でもこういうお芝居は定期的に挟まってほしい。明るい内容ではないしきっと好き嫌い好み好みじゃないはあると思いますが、私は雪組凱旋門すごく好きでした。あと、作品とは直接関係ない自分の個人的な思いを拾ってくれるのもまた舞台や小説といったフィクション作品なんだな~と今回しみじみ思った。

久しぶりにブログを書こう!と当社比かなり張り切ってしまうほど凱旋門という小説のおもしろさに感動したのですが、その感情を文字に起こすって本当に難しい。白状するとこの小説が好きすぎて、なんとか手元に残したくて勝手に抜粋凱旋門(約42000字)を作ってしまったので…でもライビュ後もう一度振り返って浸るためにはどうしても必要だったんだ!!!
…と、原作小説の話ばかりしてしまったけれど、読んだ後に舞台を思い返すと、あの長編小説の雰囲気を損なうこと無く約一時間半に収めていることも本当にすごいことだと思いました。柴田先生の脚本は言葉運びがとても粋で素敵ですし、謝先生の各々が各々の人生を生きていることのよくわかる広場の演出などなど…初演は未見ですが、私は舞台・小説どちらも大好きでした。出会えてよかった本当に
そしてこのブログを書く際、抜粋凱旋門とルサンクを見返していたのですが、やっぱりこの作品の醍醐味は話の流れというか会話の積み重ねだなあ、としみじみ思った。常識の範囲内の引用量だとどうしても足りない。でも、ラヴィックとジョアンが不器用に思いを伝え合う場面は本当に読者の方まで緊張したり、照れてしまったり、自分のことのようにうれしくなったり…舞台で描かれていなかった部分を補完する、という表現は失礼な気もするけれど、その情景を雪組凱旋門メンバーで脳内再生出来たのは本当に贅沢体験でしたよ!
いまの私にはこのような拙い文章しか残せないけど、とにかく舞台の基である小説も本当に素晴らしかったよ…!という熱が多少でも書き残せていたらこれ幸い。

ちなみに私が読んだ単行本は復刊ドットコム版でした。恐らく初演時に出版されたのではないかな?最後のページに轟さんと月影さんのお写真が入っていました。書店在庫・版元在庫・重版予定全部ナシ…とないないずくしのないずくしでしたが他の出版社のKindle版はあるようです!でもやっぱり好きな本は紙媒体で手に入れたい派
なお引用フィールド外の緑字はル・サンクvol.193、青字復刊ドットコム版から引用しております。

凱旋門 (fukkan.com)

凱旋門 (fukkan.com)

 

なぜかあまぞんにがいせんもんのる・さんくがいない…なんで……

 

 

毎回インターバルが空くので書き方を忘れてしまう!最後に今後のスケジュールですが(組長さんか)東宝メサイア以外は特に決まっておりません…全ツのチケットをどうしても手に入れたい!助けてメサイア~!