目カメラで撮ったから

自制できるもんならとっくにしている

20190312 感謝の意を込めて

2019年3月12日、宝塚歌劇団花組トップスターの明日海りおさんが退団を発表されました。発表前日は宝塚大劇場でCASANOVAの千秋楽を迎えたばかり。現在花組のトップ娘役である仙名彩世さん=ゆきちゃんを始め、花組を長年支え続けてくれた娘役さんを含めた6人の卒業生と、この公演を最後に花組から他組に組替えする2人を送り出した翌日の出来事です。

 

宝塚歌劇に足を運び始めてから約2年、わからないなりに法則みたいなものがあることはうっすら感じ取ってはいたので、発表があるのならきっと今日なんだろうなという予感はありました。たぶんいまさらなことを書いています。宝塚事に関しては独学なもので…
13時、14時、15時と一時間おきに公式HPを確認してもその報せはなく、16時17時を超えれば今回はないのかもしれない、と思い16時に再び確認したところ、予感していたお知らせはしっかり掲載されていました。あぁ、やっぱりそうだったのか、と思ったあとにじわじわと、なんだかよくわからないけどとりあえずさむい…と思いながらその日の仕事を終えて家に帰ったのだけれど結局ずっと寒かった。まぁもしかしたら部屋が寒かっただけかもしれない、暖房切っちゃってたし。

あすみさん(ここからは私の普段の呼び方で書きます)の退団時のトップ在位日数は5年と197日になるらしい。平均2~3年と言われているトップ在任期間から見ると、あすみさんはとても長い間組の真ん中に立っていた、ということになります。この数字を報道等で目にする度、私はあすみさんが長期トップとして花組を引っ張っていてくれたからこそ、あすみさんのタカラジェンヌとしての現役時代に間に合えたんだなあとしみじみ思う。遅いファンながら私は本当にラッキーでした。
後にも先にもあすみさんにしか付くことのなかった準トップスターという肩書きや、入団10年目の組替え、私は後追いファンなので当時の空気や雰囲気は一切わかりませんし、そこを追体験したいとも特に思いません。ただ、誰もが必死で大変な中、あすみさんが挑まねばならなかった大変さがいかに大きなものだったか、ということについては想像に難くないですし、本当に努力に努力を重ねてここまで来られたのだな、と頭が理解した瞬間、ただただ涙が出ました。あの細い身体に柱のような太い精神力があすみさんの中に宿っている、と勝手に想像していたけど、やっぱりそうなのかもしれないと妙に納得してしまった。素はとってもふんわりしていてかわいらしい方なんですけどね。カワイイって言ったら怒られるけどね!

そしてあすみさんが同期の中で一番最初に卒業することを告げたのは同じくトップスターである雪組の望海風斗さん=のぞみさんだったそう。私はこのお二人の並んでいる姿がとにかく好きで、二人の音楽学校時代の話(予科時代は同室!)や短い間とはいえ一緒に過ごした花組時代のエピソードなどなど…とにかくその話題になるとわあっとなってしまうくらい、二人の関係に不思議なほど惹かれていました。なので、部外者なのになんでこんなに胸がいっぱいになってしまうんだろうな…というくらい、その事実にもくるしくなった。それこそ、あすみさんが組替えで花組にやってきた時、もしかしたらお互いにいろんな思いがあったのかも、ということはなんとなくですが、なくはないだろうな、というところまでは想像できます。できるけど、でもやっぱりその思いについては絶対に、もう絶対をつけてもいいくらい二人の間にしかわからないことだと思うし、それはもう一生二人だけがわかっていればいいことなので、一介のファンである私はただただ二人がトップとして宝塚を牽引している時代を、リアルタイムで体感できて本当によかったなあと思うのです。
のぞみさんのことをあやちゃんと呼ぶあすみさんが、あすみさんのことをさゆみちゃんと呼ぶのぞみさんが私は大好きです!去年のタカラヅカスペシャルは一生忘れません。“愛してるよ!”

退団会見で印象的だった話は、あすみさんがゆきちゃんとの同時退団を選ばなかったこと。これまでの相手役さん(蘭ちゃん、かのちゃん)と同じように、いままで隣で支えてくれたゆきちゃんのこともお姫様=主役として送り出してあげたかった、という理由には胸がぎゅっとなりました。発表前日、私はライブビューイングで千秋楽を観ていたのですが、一緒に退団しないということはこういうことなんだなぁと思ったばかりだったので、ゆきちゃんだけでなくいままでの相手役さんに対するやさしさをひしひし感じられたような気がして、目の奥がぎゅ~っと熱くなりました…エイトシャルマンから始まるサヨナラショーは構成最高すぎて私も隣の人も全員号泣していたよ;;;;

そしてあすみさんは会見の中で「(皆さまからいただいたお気持ちに)舞台上でしかお返しできないことは歯がゆい」とおっしゃられていたけど、全然そんなことはなくて、むしろ舞台から発されるとてつもないパワーだったり、その人物として懸命に生きる姿やそこに立っているだけで元取れる…ってくらいの見た目の華やかさ美しさ、鍛え磨き上げられた歌声やダンスに、大げさでなく本当に「あ~~~今日までこれを見るためにがんばってきたし生きてきたしいま超生きてるって感じする!!!」と毎度毎度感じていたので、もう、ほんとに、それでいいんですそれがいいんです!とお伝えしたい。ステージ上の役者が投げるプロなら客席の私は受け取るプロでありたい。だから本当に、最高のキャッチボールをありがとうと言いたいです。そんな気持ちを持って毎度身を削るような役作りを経て夢のような世界に連れて行ってくれたあすみさんには感謝の気持ちしかありません。本当に本当にありがとうございます。

 

発表の日はわかっていたしわかるんだけどわからない、という気持ちでした。翌日はネットニュースに並んだ涙するあすみさんの写真を見て泣きました。そして今日退団会見を見たときに初めて、あぁ、よかったな、という気持ちでいっぱいになったのでいまキーボードを叩いています。わざわざこの場に書き残す必要はないかなとも思ったけど、単純にノートに文字を書くのがめんどくさいのでここに日記をつけたよ
初めて観た宝塚、のめり込むきっかけとなった花組のトップスターである明日海りおさんは私にとって永遠に特別な人なのだと思います。まだ少し早いですが、いままで本当にお疲れさまでした。そして11月までまだまだよろしくお願いいたします。どうか身体に気をつけて、組子のみんなと楽しく幸せな宝塚での日々をお過ごしください!大好きです!